あなたの会社には外国人社員の方が居ますか?例えば、高校か大学までを出身国で過ごし、大学か大学院を日本で学んで、そのまま日本企業に就職した方です。少子化により日本の労働人口が減ったこと、東南アジアなどの教育レベルもかなり向上しているので、外国人社員が増えた会社も多いのではないでしょうか。
そのような外国人社員の方ですが、あなたはどのような印象をお持ちでしょか。もちろん、色々な方がいらっしゃるので一概には語ることはできません。ですが、私の印象としては、日本人社員と比較して、①自分がやりたいことを主張する、②人付き合いは慎重、③仕事を変わることが多い、という風に感じています。私は、これは日本人と外国人の本質的な違いだとずっと思っていました。しかし、最近、そんな簡単に片付けて良いものではないと思ってきました。
まず、一番目の「自分がやりたいことを主張する」についてです。よく考えると、外国人社員の方は、もともと自国を出て他国の日本にわざわざ来ているのです。やりたいことが無いと、なかなかそこまでは出来ません。やりたいことがあるから外国にまで来て勉強して仕事をしているわけですから、日本に生まれて日本で就職した私たちよりも「自分がやりたいことを主張する」というのは当然と言えます。逆に、あなたがやりたいことがあって海外に出ていくのであれば、やりたいことを主張するのは当たり前です。ですから、外国人社員の主張については、いま日本に居る動機そのものですから、あなたはその主張については真摯に受け止める必要があります。
次に、二番目の「人付き合いは慎重」です。いくら日本語が上手な外国人社員であっても、日本の文化、そして、日本の会社の文化は、なかなか把握することが難しいと思います。その国の文化に反することをすると、そこで生きていくことは難しくなりますし、日本の会社の文化は他国より特殊であることは彼らも知っているでしょうから、慎重にならざるを得ません。やりたいことをするために日本に来ているのに、日本の文化に対する不注意でこれまでの努力を無駄には出来ません。ですから、あなたは彼らに寛容になって、安心してもらえるように接することが大切です。そうすることで、ようやく心を開いてくれるかもしれません。
そして、三番目の「仕事を変わることが多い」です。外国人社員の方は、やりたいことをするために異国まで来ているのです。やりたいことを出来ないのであれば、ゆっくりとしているわけにはいきません。母国には家族も居るわけですから、常に自分はどこで何をすべきかを考えているのです。また、どこで何ができるかという情報にも敏感です。つまり、常に仕事を変える、母国に帰る、他国に行く、という選択を考えているのです。ですから、外国人社員の方に今の会社で働いてもらいたいなら、彼らの希望を良く聞いて、対応するなら速やかに行うべきです。日本社員で待ってもらえる時間でも、外国人社員では待ってもらえないかもしれません。
以上の通り、外国人社員の思いの強さを理解して、それに真摯に向かって対応することが、日本人社員には必要だと思います。逆に、外国人社員がその気になれば、日本人社員の何倍も貢献してくれる可能性があります。外国人社員を部下にお持ちの方が居れば、意識しておいていただければと思います。