特許を出願するのはそんなに難しくない

特許を出願する。こう書くと、普通のサラリーマン/会社員にはとてもハードルが高いように思えます。エジソンのような白熱電球や蓄音機といった革新的な難しい発明を行い、特許庁に難しい手続きと高いお金を払って権利を取得する、といった感じでしょうか。でも、実はそうではありません。ちょっとした思いつきから発明は生まれ、書式の勉強と調査することにより、自分で特許出願(特許庁への申請。権利化までは行かない)までならば個人でも十分可能です。今回は、「発明をすること」「特許出願をすること」について書きます。

発明とは、従来みられなかった新しい物や方法を考え出すことです。この中には、全く独自に考案される発明と、既存の物や方法から派生した発明との2種類があります。冒頭に書いたエジソンの発明は前者に相当します。ラジオや無線機などもその一例でしょう。このような、全く独自に考案される発明は常に行われているわけではなく、何十年か何百年かに一度といったサイクルで行われますので、一般の人から生まれることはなかなかありません。

一方、既存の物や方法から派生した発明というのは常に行われています。世界で見ると1年間で20万件以上の特許が出願されている年もあるので、特許出願されていない発明や特許にならない発明も合わせると膨大な数になります。私たちでも十分発明することができるのはこういったものになります。主婦が発明して特許になった代表的なものとして、洗濯機に備え付けて糸くずを取り付けるネット、かかとがついていないダイエットスリッパなどがあります。このようなものは簡単に思えるかもしれませんが、既存の物や方法から派生した発明であり、従来みられなかった新しい物や方法なのです。この2つの発明は、特許権が与えられて事業として数億円規模になっているとのことです。

サラリーマン/会社員でも、身近にこのような機会はあります。最近はビジネスモデルも特許になります。実際に特許になった事例として、「広告を見て資料請求をしてくる顧客の氏名、住所などの情報を自動的に集計し、その分析結果を広告主へ配信する顧客情報システム」「利用者の特性に応じた画像を提供する通信システム、並びに当該通信システムに用いる端末装置および情報提供装置」などがあります。表題は特許用に難しく書いてありますが、パソコンやスマートフォンを日常的に使っていれば思いつくことも可能な発明かもしれません。

では、実際に発明をしたら、それを特許庁に出願して権利化を目指すことになります。これは、どうしたら良いのでしょうか?まず、あなたが職務に基づいて発明をして会社から出願するのであれば、話は早いです。というのも、特許出願にあたっては一般には特許事務所や弁理士に頼むことになりますが、ある一定規模以上の企業であれば、付き合っている特許事務所や場合によっては社内弁理士を抱えています。そこに頼めばサポートしてくれます。あなたが職務に基づかす個人で発明したのであれば、特許事務所に依頼するか個人で出願するかになります。特許事務所に依頼するとお金がかかりますがより良い権利化を目指せます。個人で出願するのであれば、出願だけなら数万円で済みますが、勉強が必要であったり強い権利の取得は少し難しくなるかもしれません。このあたりは、予算と発明の質によって変わってきます。弁理士会や発明協会などが特許相談を行っているので。利用するもの一案です。

以上、発明して特許出願するのは、サラリーマン/会社員であればだれでもチャンスがあります。よろしければ一度トライしてみてはいかがでしょう。

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