働き方改革について考える④

前回の記事では、安倍総理が推進する働き方改革について、首相官邸ホームページに掲載されている「働き方改革実行計画(平成29年3月28日決定)」では、責任者・管理者は、多種多様な人の境遇を理解し、限られた時間でコミニュケーションを行って、法律や制度に従いながらビジネスを成立させるという、非常に難しいマネジメントを行わねばならない可能性が高いことを書きました。今回は、他にどのようなことに注意していかねばならないかを書きます。

現行のサラリーマン/会社員の労働時間が減るということは、それ相応の生産性を向上しない限りは収入が減ることになります。それを回避するには、生産性を向上するために色々な勉強をする必要があります。あるいは、現行の仕事で収入増が望めないとするならば、副業・兼業も視野に入れねばなりません。

副業・兼業を希望する方は近年増加しているにもかかわらず、これを認める企業は少ないのが現状です。しかし、働き方改革では、労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で副業・兼業の普及促進を図るとしています。就業規則等で、本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化することを目指しています。

つまりは、副業・兼業を認める社会にしていくということです。これにより、多能力で効率が高く意欲がある人は、複数の業務に就いて収入を増やせるという訳です。サラリーマン/会社員だけで多くの収入が望める可能性は相対的に低くなり、逆に意欲ある人は複数の環境で仕事をして収入を増やすことになっていきます。ある意味、収入を増やすためには今まで以上に勉強・挑戦の努力をせねばなりません。

また、一億人が総活躍する時代になれば、ライバルが増えるわけですから、今までの会社に安住できるとも限りません。そのためにも勉強・挑戦の努力が必要です。良く考えれば、労働人口が増えるのですから、それは当然のことです。

そして、働き方改革計画では、更に、転職・再就職支援・教育環境の整備・高齢者の就業(エイジレス社会)促進がなされます。つまり、努力すればするほど、それがいつまでも報われて収入を得る可能性があるというわけですから、逆に今のある一定上のポジションに座って既得権で収入を得ているサラリーマン/会社員にとっては、耳の痛い話です。のんびり会社に座っていて一定以上の収入が続くという社会は、今後はそう続かないかもしれません。

以上まとめると、働き方改革では、サラリーマン/会社員にとっては今の会社での労働時間が減って収入も減る可能性がある。そして、その収入をキープしたり増やそうとするには、勉強・挑戦を継続して、今の仕事をキープしたり副業・兼業をしたりせねばなりません。これが、エイジレス社会とよばれる社会で高齢になっても続ける必要性が出てきます。

サラリーマン/会社員は、会社での仕事だけではなく、会社が終わっても勉強・挑戦を続けていく必要が高齢まであるということで、働き方改革が与える影響はとても大きいと思われます。