働き方改革について考える③

前回の記事では、安倍総理が推進する働き方改革について、首相官邸ホームページに掲載されている「働き方改革実行計画(平成29年3月28日決定)」では、必ずしも、サラリーマン/会社員だけが残業削減・効率化するのではなく、むしろ会社側が日本の働き方改革のために新しく制度を作っていくことが重要であると書きました。

では、サラリーマン/会社員が、会社に言われて残業削減・効率化するだけではなく、働き方改革が実現されていくとした場合に、どのように対応していく必要があるかを今回は考えていきます。

まず、今回の働き方改革では、長時間労働をすることができません。従って、労働時間の上限を意識して、場合によっては少し余裕を持って仕事にあたる必要があります。ただし、これまでの仕事を効率化すれば良いだけではなくなってきます。

というのも、一億人を総活躍させるのですから、様々な環境の方が一緒に働くことになります。病気の治療をされている方、子育て・介護等をされている方、障がい者の方、さらには、テレワークで働く方が増えてくることになります。ですから、色々な方の境遇を理解し、様々な法律や制度に習熟し、多種多様な働き方をする皆様とコミニュケーションをとりながら仕事を進めていく必要があります。特に、責任者・管理者にとっては、従来にないほどに大きな負荷がかかってくると想定されます。限られた時間で多くの方とコミニュケーションをとって状況を理解し、それぞれの仕事の分担やバランス調整を行い、ビジネスを成立させねばなりません。直接のコミニュケーションの機会も限られてきますので、1回のeメールで意思疎通をやりきらないと中々仕事が進まないでしょう。

また、職場のメンバーと一緒に食事をしたり飲みに行ったりすることも減ってくる可能性があります。特に、遠隔地の方と仕事をする場合などはなおさらです。どうやって人間関係を構築し、信頼しあって仕事を進めるかというのが重要になってきます。現時点では、オフラインでのコミニュケーションが中心で、オンラインでのコミニュケーションがほとんど経験がない責任者・管理者が多数存在します。そのような責任者・管理者では、なかなか一億人を総活躍させる社会ではマネジメントが難しくなってくるでしょう。

このように、働き方改革における一億人の総活躍社会では、責任者・管理者のマネジメント能力が非常に重要になってきます。特に、働き方改革実行計画では、コンセンサスに基づくスピードと実行が重要であると述べており、罰則付きの規制も設けると言っているので、時間はあまりありません。責任者・管理者は働き方改革実行計画の進捗を見ながら、準備を進めていくべきでしょう。

次回に続きます。

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