海外駐在員は社内事情に通じています

あなたの会社には海外駐在員がいらっしゃいますか?最近は、小規模の会社でも1-2箇所に海外駐在員を置いているのは普通ですし、一定以上の規模になると10箇所を越えることも珍しくありません。

海外駐在員は、多い方でも日本に戻ってくるのは10回未満くらい、少ない方だと年に1回程度というのが一般的ではないでしょうか。こうなると、なかなか日本の事務所で仕事をすることも少なく交流も減りそうなので、社内事情にはあまり明るくないのではと思いがちです。

ところが、実際はそうでもありません。特に、海外の重要拠点の責任者等であれば、逆に社内事情に通じていることも多くあります。

まず、海外駐在員というのは、その国や地域でそこの事務所、場合によっては海外現地法人を運営していかねばなりません。よって、日本では係長や課長クラスの給料しかもらっていなくても、海外では、所長、あるいは社長なのです。所長や社長にもなれば、期待されている実務に加えて、経営、経理、人事、法務などといったスタッフ業務もこなさないといけません。さらに、これらの業務を現地で運営するだけではなく、日本の関連部署と連携をしながらこなしていくるのです。

こうなると、当然、海外駐在員は日本のほとんどの関連部署とメールや電話で日々多くのやり取りをするので、必然的に日本のメンバーとのコミニュケーションが増えてきます。また、日本の関連部署にとってみれは、海外で頼れる人、仕事をしてもらえる人は駐在員だけになる場合が多いので、必然的に海外駐在員に依存します。海を越えて共同して色々なことを解決するには、色々な情報をやり取りして心を通わせないとなかなかうまく行きません。このことにより、海外駐在員は、日本に居なくても日本の社内事情にとても通じていることになります。

また、日本のメンバーが海外に出張する時には、多くの場合海外駐在員が同行して、案内したり食事をともにします。日本からの出張メンバーは海外では不安ですし、食事や宿泊にしても海外駐在員に頼らざるを得ません。もちろん、海外駐在員はよく理解していますので、日本で居る以上に親切にアテンドしてくれます。日本メンバーの海外出張中には、海外駐在員ととても仲良く行動することになります。ですから、日本メンバーは、普段の日本では言えないような裏話も海外駐在員にはしてしまうものです。

海外駐在員は、日本で業務している時は係長や課長クラスなどの同級の社員と仕事することがほとんどですが、海外で責任者をやるようになると、社長から新入社員まで、そして重要なお客様とも同行します。つまり、360°あらゆる人とコミニュケーションができるし、普段会話されないような裏話を聞くチャンスが多くなるのです。

日本で業務している人は、海外駐在員はあまり日本のことを知らないと思って会話したり仕事を依頼することが多いです。場合によっては情報量としては軽く見てしまう場合があります。が、実はそうではありません。海外駐在員は多くの情報量をもって多くの関連部署と仕事を常にしていることを頭に入れて、敬意を払って接したほうがうまくいきやすいと思います。