あなたが優秀であれば、若くして係長や課長などの責任者に抜擢されることがあると思います。きっと、論理性、判断力、行動力が備わっているのでしょう。しかしながら、どうしても備わりにくいのが、経験と現場知識です。この2つについては年数が影響しますから、若くして出世すればするほど逆に不利になってしまいます。
責任者になる前は自分の仕事だけしていればよかったのですが、責任者になれば部下の数だけ仕事の責任の範囲が増えることになります。もちろん、普段の仕事は部下が従来通りやってくれると思うので構わないのですが、問題が起きたときや仕事を進めるうえで選択肢が複数ある場合は、あなたの判断が必要になります。
でも、判断が必要な仕事について、その業務の経験がほとんど無いけれども責任者であるあなたと、その業務の経験が豊富な部下とでは、どちらが判断したら良いのでしょうか?
この場合、あなたは部下の状況をよく観察する必要があります。部下が仕事のことを良く知っていて一定の判断力もあり、あなたに対して気を遣ってお伺いを立てている時は、あまり自分の考えを無理強いせずに任せてしまった方が良い方向に行くことが多いと思います。部下があまり仕事を知らない、あるいは判断力が乏しく問題も多発しているようであれば、あなたが思い切って判断したほうが良いでしょう。
このような例は比較的分かりやすいのですが、少し違う特殊な場合もあります。それは、部下が仕事のことをよく知っているんだけれども、周りの人に色々言われたり、あるいは少し特別な人でクレームを入れてくる人がいるなどで、自分で判断すると責められたり責任とらされそうになる場合です。そのような時は、責任者にお願いして責任をあとあと取って欲しいわけです(そのために責任者とよばれているのですからね)。
ですから、そういう時は状況と部下の考えをよく聞いて、そして、会社だけではなく部下自身がどのような影響を受けるかをよく聞いて、会社も部下も困らないような判断をしてあげることが大切です。こんな時に、会社への影響だけを考えたり、ただ部下の方がその仕事の経験が多いというだけで判断を部下にやらせてしまうと、あなたの信用は一気に落ちてしまいます。
責任者であるあなたが判断すること、そして、会社や自分のことだけを考えるのでなく、部下自身が困らずにイキイキと仕事ができるように判断することも重要です。短期的に会社のことだけを考えて判断しても、部下のモチベーションが下がれば長期的にはマイナスです。これについては、よく考えてあなた自身が決断するしかありません。そういった仕事や会社だけでなく部下の心情も配慮した判断を決断することが、部下があなたを信頼し、今後あなたを助けて成果をあげてくれることになるでしょう。