部下だけど先輩。どうやって接する?

私たちが新入社員や若手社員の時は、上司の指示で仕事をします。ところが、自分がプロジェクトリーダや係長以上になると、今度は自分がメンバーに指示を出さないといけません。こういうとき、自分がメンバーの誰よりも仕事に精通しており、またお客様や社内関係者にも一番顔が利くのであれば、指示が出しやすいでしょう。

しかしながら、メンバーの中にかなり年上の先輩が居たり、またプロジェクトで新しい仕事に取り組む際は、必ずしも自分が一番よく分かっている訳ではないので、方針・指示を出すのは少し難しくなります。このような状態は、あなたが優秀であればあるほど起こりやすくなります。場合によっては、メンバーの半数近くが先輩のこともあります。さあ、どうやってリードしましょう?

まず、メンバーの中に自分より仕事を良く知っている先輩が居るのに反して自分がプロジェクトリーダや係長に任命されたということは、きっと、仕事の本質が分かっていて、かつメンバーを動かすことができる、と判断されてのことだと思います(あるいは、自分より優秀な先輩が居るけど、成長のためにそういう設定をされている)。仕事の本質というのは、仕事の目的が分かっており、どうすれば目的を達成できるかを考えて、それを組織で実行していけることでしょう。おそらく、プロジェクトリーダや係長に任命されなかった先輩は、経験ある実務をこなすことは出来るかもしれませんが、目的に応じてやること・やり方を変えたり、何か変化があったり困った時に、メンバーやまわりを動かして達成することができないのでしょう。

ということは先輩には、実務経験を自主的に活かしてもらいつつ、しかしながら、目的に応じてやること・やり方を変えるという意思決定をあなたがすれば、その意思決定には従ってもらう必要があります。この一見矛盾する2つのことをあなたは先輩にやってもらう必要があります。

この実現の方法は、あなたの仕事スタイルや先輩との関係によって異なるのですが、私個人はこの矛盾した2つの内容はきっちり区別して行った方が良いように思います。といいますのも、先輩を常に立てていると周りもその先輩の言う通りしたら良いのだと思ってしまいますし、先輩に常に厳しく指示をしていると気分を悪くされて実務経験を活かしてもらえないかもしれません。したがって、実務経験が必要な時はその先輩を立ててついていき、こちらが意思決定をしたときはその意思にはきっちりと従ってもらう。これは、ある程度極端に振った方が、先輩もまわりも分かりやすくて良いかもしれません。

といっても、先輩の性格やまわりの心情によって使い分け方法の調整は必要ですので、場合場合によって対応を考えていただくしかありません。でも、きっと大丈夫です。あえて若手のあなたを抜擢した上司や責任者が居るはずですから、困った時は必ず相談にのってくれますよ。

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