皆様の会社には派遣社員さんがいらっしゃるでしょうか?少し大きい会社で事務や技術の職場でしたら、派遣社員さんに業務をお願いしていることも多いかと思います。事務用機器操作、ファイリングの業務、案内・受付の業務などの業務がその代表例でしょうか。派遣社員は有期雇用が可能ですので、定型業務を一定期間お願いすることが可能です。また、派遣社員に定型業務をお願いすることで正社員は付加価値業務を行うことができるというメリットがあります。一方、正社員が指揮命令を派遣社員に行う必要があるため、仕事の定型化・明確なフロー化を行わねばならず、仕事の整理をきっちりとする必要があります。
これだけですと、派遣社員さんは定型の業務をしているので、会社のしくみや仕事についてはあまり理解していないと思いがちですが、実はそんなことはありません。特に、派遣社員を長くされていて、かつどの職場でも重宝されている派遣社員さんというのは、ある意味、新入社員や若手社員よりも会社や組織の問題点を理解している場合が多いです。
といいますのも、日本人の特徴として仕事の分担を明確にする、定型化する、というのは苦手です。どうしても曖昧になってしまいます。つまり、正社員から派遣社員さんへの指示が、いい加減になってしまうことが多いのです。そうなってしまった場合、正社員の方が指揮命令者ということで立場が強いですし、有期雇用である派遣社員さんはきっちりと業務をやりきろうとする意識が高いことが多いので、曖昧な部分を自ら消化して業務をこなそうとします。また、正社員がいい加減だと派遣社員は困るので、きっちりと仕事がまわるようにはこうしたら良い、というアイディアを結構持っています。しかしながら、これを正社員に言うと、正社員によっては「派遣社員から文句を言われた」ととりかねないため、なかなか進言されることはありません。
また、派遣社員さんは、他社や他部署との窓口をすること多いです。他社や他部署の人も、正社員には言えないことでも派遣社員さんには言える苦言というのは結構あります。こういった情報というのは、意外に正社員よりも派遣社員さんの方が持っていたりします。
普段接している新入社員や若手社員は、派遣社員と利害関係があるのでなかなかそういった状況や情報を得ることはできません。しかしながら、部長やそれ以上になれば、派遣社員さんも直接の利害関係も少ないですし、現場の苦労が分かっていて話を聞いてくれそうな責任者であれば色々と教えてくれるかもしれません。
ですから、中堅社員や部長さん以上の皆さん、一度、派遣社員さんに悩みを教えてもらいませんか。今の職場の問題点や、他社や他部署の方の意外な情報を得られるかもしれません。