若いサラリーマンのあなたは、昇格や昇進をしたいと思っていますか?ひと昔前のサラリーマンは、かなり多くの人が出世をめざしていたと思います。まず、中高生の頃から受験戦争で勝つことを求められ、大学に入るとスポーツカーを持っていることが女の子にモテる条件であり、会社に入るとブランドの服を来たり高級な店で食事をすることが勝ち組とされてきました。そのためには、とにかくお金が必要であり、その近道が出世であると思われたのです。皆が競い、場合によっては他人を蹴落としてでも出世したいと思っている人もいました。また、社会にもその受け皿があり、多くの企業が成長していたので頑張った社員にはそれなりのポストをもって優遇することができたのです。頑張れば報われる時代でした。
ところが、バブル崩壊後に状況は変わってしまいました。日本の景気が回復せず、有名企業であっても規模が縮小してポストが足らなくなってきました。更には、大企業であっても倒産することが多くなり、個人の頑張りが必ずしも報われる時代ではなくなったのです。また、競争社会で苦労した人たちが大人になり、過去の厳しかった経験の反動から自分の子供たちにそういう経験をさせたくないという思いから、ゆとり教育がはじまりました。そして、皆が仲良くしていこう、絆を大事にしていこう風潮が出てきました。更には、過重労働による過労死が問題となり、働き方改革による労働時間削減が求められています。
このような背景から、最近の若い人は、無理せず競争せず、特に出世は求めないが真面目に働くので一定の給料があれば良い、という方が増えているように思います。やはり、他人より出世しようとすると、普通の人よりも努力、苦労、工夫が必要になってきますからね。人の考え方というのは色々とありますので、私もこのこと自体は否定するつもりが全くありません。
しかし、知っておいて欲しいことがあります。会社組織ですから、いつになっても上下関係があるわけで、出世した上司が方針を決める、部下に指示をするというのは続くと思います。そうなると、もしあなたが優秀にもかかわらず出世を拒み、優秀でない同期や後輩が出世すると、彼らの指示のもとに仕事をすることになります。この場合、あなたの方が上手に仕事をやれるといたとしても、彼らの指示に従わないといけないので、あなたはレベルを落とした仕事をせねばなりません。このことは、結構なストレスになります。あなたが優秀であればあるほど、これは大きなストレスになります。
サラリーマンであっても、人間ですから、良い仕事をして自己実現したり会社によりよい貢献をしたいと思うでしょう。それをするのであれば、やはりある程度の出世をするしかありません。ですから、出世のチャンスがある時は「これ以上忙しくなるのは嫌だ」と簡単に諦めるのではなく、「自分のしたい仕事、これまで以上に大きな仕事などをできるチャンスが来た」ということも頭に入れて、自分の人生の選択をしていただければと思います。